" &image=ctgic; &style=stDetail1;2013/03/21 読み物&style;&br; &style=stDetail2;大地の力を導く「風水士」&style;&br; &br; &br;&br; &li=ng01;大地の力を導く&li;&br; &image=im00;&image=10043_1.png; 闇を畏れなさい。&br;&br;闇に潜むは深淵の未知……。&br;漆黒の帳は原初の畏怖……。&br;&br;闇を信じなさい。&br;&br;闇が誘うは一時の睡み……。&br;暗き吐息は黒絹の抱擁……。&br;&br;自然に耳を傾け、&br;心身ともに「闇を読む」のです。&image=im00;&br; &image=hr03;&br; 〔セレニア図書館蔵書「風水学入門」〜闇を知る〜中扉より〕&br;&br;&br;険しい大自然で生き抜くため、母なる大地に流れる龍脈の力を導き出すジョブ。それが風水士である。&br;大地のエネルギーを羅盤に凝集し、風水鈴を奏で増幅させる風水術は、ウルブカ大陸に刻まれた歴史と共にあった。自然の法則に身を委ね、運命に抗う術の根源に迫ろう。&image=im00;&br; &image=hr03;&br; &li=ng01;シィ・レナイェの奇跡&li;&br; &image=im00;&image=10043_6.png; 幼子の命は救われたが、&br;シィを打ち取った獣人たちは、&br;約束を違え集落を襲撃する。&br;だが、シィの遺した最後の結界が&br;死してなお、獣人たちの行く手を&br;阻み続けたという。&br;&br;かくして1つの集落は救われたが、&br;偉大な大風水士シィ・レナイェは&br;還らぬ人となってしまった。&br;シィの5人の学徒たちも、&br;忽然とその姿を消したと云う。&br;&br;学徒らはどこへ行ってしまったのか……&br;それを知る者はいない。&image=im00;&br; &image=hr03;&br; 〔著者不明「シィ・レナイェと5人の弟子」より一部抜粋〕&br;&br;&br;それは遥か太古の時代。大樹森々と茂る以前の大陸は平坦な大草原であった。広大な東ウルブカの大地を支配する獣人ヴェルク族と、獣人らが闊歩する影で細々と暮らす人間たち……。彼らが憂惧すべきは一つ。獣人たちの襲撃である。東の海に昇る陽光は、恐怖と暴力に満ちた大地を無慈悲に照らし続けていた。&br;或る時、流浪の術士シィ・レナイェが訪れる。彼女は、尋龍点穴の旅の末、霊峰カミールにて自然の理を源とする術を手に入れたと云う。その神妙不可思議な力に人々は驚倒した。其の一挙一動で、火が熾り、地が割れ、水が湧き、風が踊る。シィが起こす天変地異は、凶暴なヴェルク族に対する抑止力となった。&br;&br;ヴェルクの蛮族王スコーヴ・トロックの強襲に遭った際も、シィは5人の学徒たちと共に結界を張り、獰猛な軍勢の侵略から身を呈して人々を護った。彼女の結界に護られた人々は、身体の傷が癒え、潜在的な力が湧き出たと云われている。&br;かくして、自然のエネルギーを導く術は、人々の手により口授されていった。この龍脈を導く力は、いつしか風水魔法と呼ばれるようになった。&image=im00;&br; &image=hr03;&br; &li=ng01;エルゴン・ローカスを求めて&li;&br; &image=im00;&image=10043_11.png; 森で落命した魂は&br;母なる精霊の&br;歌声に抱かれ&br;&br;慈悲の揺り籠に乗り&br;大地へ還る&br;&br;すべては&br;悲しきアドゥリンの子らに&br;安寧を与えんがため&image=im00;&br; &image=hr03;&br; 〔戯曲「セイレーン伝説」より一部抜粋〕&br;&br;&br;エルゴン・ローカスとは、ウルブカ大陸に点在する自然の力が溢れる領域を指す。風水士を志す者は、尋龍点穴の旅……つまり、エルゴン・ローカスを求める旅に出ることとなる。自然との対話。そして、自然の力──エルゴン──に逆らうのではなく、身を委ねて導く。それこそが風水魔法の神髄だ。&br;術者を中心に展開する原初の術法「インデ」を基軸とし、歴世の風水士らの手によって、凝集したエルゴンの中心点を羅盤という触媒に固定する「ジオ」が開発された。近年では、アストラルコーティングを施すことで羅盤を消したり出したりできるよう改良され、羅盤の携帯化にも成功している。悠久の時の中で考究され、風水魔法は今なお進化し続けているのである。&br;&br;外界のあらゆる雑念を取り払う精神。そして、自我の内に響く鈴の音の波紋を捉え、大自然のエルゴンに到達する心機の渾然。この双方を備える者だけが、鎮魂の境地に至る者、すなわち「風水士」への道を拓くのだ。&image=im00;&br; &image=hr03;&br; Illustration : Mitsuhiro Arita&image=im00;&br; "