" &image=ctgic; &style=stDetail1;2010/10/12 読み物&style;&br; &style=stDetail2;ハロウィン 〜聖なる夜に黒い影〜&style;&br; &br; さあ、ハロウィンの開催が迫ってきました。&br;今年も、モーグリたちが冒険者の皆さんに楽しんでもらおうと、何事かをたくらんでいるようです。&br;&br;モーグリたちにこっそりと聞いてみると、「燭台を集めると……」とだけ教えてくれました。ここから先はナイショなのだとか。どうやらモーグリたちは、今年のハロウィンのために特別な贈り物を用意しているようですよ。&br;&br;気になるその贈り物ですが……。用意されたきっかけには、説明し難い奇妙な出来事があったという噂です。&br;&br; &image=hr02;&br; 「足りない……」&br;マンドラゴラの顔を模して作られた燭台にノミを穿ちながらトッティモッティはつぶやいた。&br;今年のランタンには何かが足りない。&br;何か。もうひとつ。&br;&br;昨年に引き続き、ジュノのデザイナーが設計したという3種のランタンの意匠は素晴らしいものではあったのだが、今ひとつインパクトに欠ける。トッティモッティはそう思うのだ。&br;「オレなら、もうちょっと……何か、こう……」&br;カツ、カツ、とノミを振るいながらもトッティモッティは考えていた。もう少し、あと少しのインパクトのある燭台。それを思いつくことさえできれば。トッティモッティとしても今年は勝負の年だ。彼の作ったランタンだけが何故か昨年は売れなかった。余ったカボチャのランタンたちは彼の後ろに山となっている。&br;&br;トッティモッティは視線を上げて作りあげたばかりの燭台を見つめた。&br;おばけカボチャとジンの顔を写し取ったものと。灯された蝋燭が輝いて、ノミを振るうトッティモッティの影を背後の床へと落としていた。&br;&br;トッティモッティは作業に戻った。&br;ノミの音が響く。&br;浅い呼吸の音と、唇からこぼれるひとりごとだけがノミの音にかぶさる。&br;そのときだ。&br;燭台の炎がひときわ大きく揺らめいた。&br;風だ。秋だというのに、生ぬるい息の詰まるような風がモグハウスを吹き抜けた。風に蝋燭の炎が揺れると、床に落ちたトッティモッティの影も大きく揺れた。影の、人型をしていた輪郭が崩れ、何かこの世のものならざる形となって床を踊った。&br;風の音が次第に強まり、扉が、窓が、ガタガタと鳴りだす。嵐が近づいている。&br;窓格子越しに見える夜空に稲妻が走り、黒い空を束の間だけ輝かせる。吹く風はますます激しく唸り、雷の音はいよいよもってモグハウスへと近づいてくる。&br;&br;ふと、集中が切れた。トッティモッティは顔をあげる。&br;「……腹が、減ったな」&br;そろそろ夕食の時間だ。いつもであれば、モーグリたちが食事をもってくる頃合だ。&br;ノックの音がして、トッティモッティは首を捻る。おかしいな。モーグリたちであれば遠慮なんてしないはず。&br;&br;立ち上がり、扉に手をかけようとしたトッティモッティの背筋にぞくりと悪寒が走った。&br;胃のあたりがきゅっと縮まる。&br;口の中がからからに乾いていた。嫌な、予感が。&br;音を立てて、扉が開いた。びゅうと風が吹き込み、トッティモッティの短い髪を激しくなぶる。目が、開けていられなかった。&br;「なっ……なんだよ、これ!」&br;稲妻が黒い空を駆け、ひとつ先の屋敷の丈高い木に落ちた。閃光が目を焼く。&br;笑い声が聞こえた。右から、左から、後ろからも。ひきつるような笑い声が、四方から木霊となって聞こえてくる。耳を塞いでも構わずに頭の奥の奥にまで染み入っている。&br;周囲の景色がぐるぐる回っている気がした。&br;混乱する頭では己に近づく影にさえ気づかない。夜の闇の中をやってくるのはトッティモッティと同じくらいの背丈の真っ黒な人影だ。真っ赤な口がにたりと笑みを作った。&br;トッティモッティの膝にはもう力が入らない。喉を締め付けるような圧迫感が迫っていた。&image=im00;&br; 「ご主人様!! ゴハンクポ!」&br;その声に、急に眩暈が治まり、トッティモッティは目を開ける。目の前にはモーグリ。&br;不吉な感覚は去っていた。&br;「さっさと、ココを片付けるクポ! こんなに散らかして誰がお掃除すると──」&br;「や、ちょっと待てよ。それ、なんだ?」&br;トッティモッティの指差した先、モーグリの足下には見知らぬ家具が転がっていた。&br;拾い上げる。ランタンだ。マンドラゴラの顔を模した、彼が作っていたランタンに良く似ていた。ただひとつだけ違っていたのは──。&br;「そうか。黒……か!」&br;あちこちが焼け焦げていて、それゆえにいっそうに不気味さを醸し出していたそのランタンは、黒いマンドラゴラの頭をかたどった燭台だったのだ。&br;早く食事を片付けてくれ、そういうモーグリの声ももはや届かない。トッティモッティは天啓を得たと思っていた。&br;ノミを振るって、新しい燭台の製作へと取り掛かる。何かに憑かれたかのように。&br;外はいつの間にか嵐になっていた。&br;&br;トッティモッティが新たに作った燭台は、モーグリたちのネットワークでたいそう話題になった。ハロウィンを控えて大量の注文が舞い込んできた。&br;&br;迫る祭りの夜を控えてトッティモッティは今日も黒い燭台を作っている。&br;ひとつ。またひとつ。黒いマンドラゴラの燭台ができあがってゆく。&br;けれども、どうしてそれを作ることになったのか、もはや、とうのトッティモッティも覚えていなかったのである……。&image=im00;&br; &image=im00;&image=5874_2.png; Story : Miyabi Hasegawa&br;Illustration : Mitsuhiro Arita&image=im00;&br; &image=hr02;&br; &li=ng01;開催期間&li;&br; 本イベントは2010年10月19日(火)17:00頃より、11月2日(火)17:00頃までを予定しています。&image=im00;&br; &li=ng01;モーグリに協力しよう!&li;&br; ハロウィンの仮装行列に紛れて街に入ろうとしているモンスターがいるようです。モーグリたちは報酬を用意して、モンスター退治に協力してくれる冒険者を待っています。まずは、以下の場所にいるモーグリから話を聞いてみましょう。 &br;&br;西ロンフォール(I-6)/東ロンフォール(G-6)&br;北グスタベルグ(L-8)/南グスタベルグ(J-7)&br;西サルタバルタ(J-8)/東サルタバルタ(G-11)&image=im00;&br; &li=ng01;仮装行列のおばけや獣人に「おやつ」を渡そう!&li;&br; 各国の住民たちは、今回のハロウィンでも冒険者の皆さんを驚かすために、おばけや獣人の仮装をして街を練り歩くようです。&br;以下のエリアで彼らに「おやつ」を手渡すと、皆さんも仮装できるようになります。また、運がよければハロウィンでおなじみのスペシャルアイテムが手に入るかもしれません!&br;&br;南サンドリア/北サンドリア&br;バストゥーク鉱山区/バストゥーク商業区&br;ウィンダス水の区/ウィンダス森の区&br;&style=Tr15;※「おやつ」は、主に料理のスィーツ類です。&br; ただし、スィーツの中にもNPCにトレードできないものがあります。&style;&image=im00;&br; &li=ng01;仮装をもっと楽しもう!&li;&br; ハロウィンの開催期間中、各国の会場にはボムの飾り付けが設置されます。特定の仮装をした2人がパーティを組んで、この飾り付けに近づくと、何か良いことが起こるようです。&image=im00;&br; &li=ng01;交霊祭に参加しよう!&li;&br; 今回も、西方のエクソシストによる「交霊祭」が行われるようです。以下の場所にいるエクソシストから、詳しい話を聞いてみましょう。&br;&br;北サンドリア(D-8) Gertrude&br;バストゥーク商業区(G-8) Brian&br;ウィンダス水の区(北側)(F-5) Roger&br;&style=Tr15;※エクソシストからの依頼を達成した場合、ヴァナ・ディール時間で1日が経過していないと再度依頼を受けることができません。&style;&image=im00;&br; &li=ng01;特設店で買い物をしよう!&li;&br; 以下の場所には特設店が設置され、ハロウィンにちなんだアイテムが販売されます。さらに、各国の特設店で購入できる3つの燭台をモグハウスに飾り、しばらくしてからモグハウスのモーグリに話しかけると素敵な贈り物が……。&br;&style=Tr15;※贈り物はイベント終了後も条件を満たしていれば受け取ることができます。&style;&br;&br;北サンドリア(D-8)&br;バストゥーク鉱山区(H-9)&br;ウィンダス水の区(北側)(G-10)&image=im00;&br; "