" &image=ctgic; &style=stDetail1;2012/01/25 読み物&style;&br; &style=stDetail2;鏡の中の恋人たち&style;&br; &br; 今年もやってきましたヴァレンティオン・デー。&br;贈り物に想いを込めて愛を伝える日、クポ!&br;&br;最近では、その贈り物も「ヴァレンティオン・デーにはチョコレート」とすっかりチョコが定着してきたクポね。&br;菓子職人さんたちが、せっせとハートチョコを作ってくれて。&br;&br;冒険者のみなさんも、愛の使者となって、毎年チョコレートとともに恋人たちの出会いを導いてくれてありがとうクポ。&br;&br;みなさんのおかげで結ばれたカップルがたくさん。&br;……おや?&br;&br;でも、なんだか1年ぶりの愛の日なのに、哀しそうな顔をしている恋人たちもいるみたいクポ。&br;いったい彼らに何が……あったクポ?&br;&br; &image=hr02;&br; 「別れよう、って思ってる。ボクと彼女とは似合わないよ……」&br;&br;ボクの言葉を聞いて彼は困った顔をした。&br;「でも、ハッカロッカ。君は1年前に言ったじゃないか。明るい元気な女の子が好みだな、って」&br;「そ、それは」&br;「今でもはっきりと覚えているよ。森の区の外れで陽気なステップを踏みながら、私に、こんな風に声をかけてきたんだ」&br;&br;『よお! 待ってたぜ! 俺の理想の相手に会わせてくれるってんだろ?』&br;&br;ボクの口真似をしながら彼は言った。&br;1年前のあの日から同じパーティを組んでいるだけあって、それはとても似ている──ように思える。彼はヒュームだから、似せられるのは口調くらいなものだけど。&br;そう。あのときのボクは確かにそう言った。&br;ハートを半分に割った形のチョコを託せば、顔の広い冒険者たちが好みの相手を探してきてくれる。それがここ数年のヴァレンティオン・デーで行われているちょっとしたイベントで。&br;そして彼はウィンダスの街中を走り回って、ボクが望んだタイプの少女を見つけてきてくれたんだ。&br;けど違うのだ。&br;&br;ヴァレンティオン・デーのあの日。&br;ボクは、ボクであってボクじゃなかった。&br;ノートリアス、つまり「悪名高き」なんて言葉を冠して畏れられる怪物を倒したばかりで、ちょっとばかり気が大きくなってたんだ。&br;あのときはそう、なんでもできそうな気がした。望むような自分に変われそうな気がした。だから口調も「俺」とか。&br;は、恥ずかしいったら。&br;実際のボクときたら、タルタルの普通から一歩も踏み出しちゃいない。&br;怯懦、なんて揶揄される種族らしく。&br;&br;それでもボクは頑張ったと思う。&br;ヴァレンティオンの日に出会った「明るく楽しい」少女に合わせようと、この1年間というもの、勇気を振り絞って行動してきた。&br;あますず祭りも、牛追い祭りも、イベントというイベントに2人して参加した。&br;この、人見知りの、臆病な、ボクが! 『俺』とか言っちゃって!&br;けど──。&br;&br;「ボク、彼女とは合わないんじゃないかって思うんだ……。貴方には1年前に彼女を紹介してもらってとても感謝しているんだけど」&br;&br;………&br;………&br;&br;「あのときは、前日にとあるダンジョンのキャスケットからお目当てのアイテムが出て、浮かれてたんです!」&br;星の大樹の下。あたしは言った。&br;「でもナココ、そんなこと言わないで、もういちど会って話したほうが……」&br;あたしをここに呼び出したミスラの彼女はそう言うのだけど。&br;後悔ばかりが先に立つ。&br;あんなこと言わなけりゃよかったのだ。1年前のヴァレンティオン・デー。&br;&br;『こんにちは! あなたのことを待っていたわ!』&br;&br;目の前にいる彼女にそう陽気に言ってチョコを渡してしまった。&br;そのときには、あたしはもう冒険者だったのだから、街の人たち相手に恋人探しを手伝っている彼らを頼ってはいけなかったのに。&br;どうせなら、明るく楽しい男の子がいいな、とか言葉を添えて。&br;恥ずかしいったら。&br;開かない宝箱があったら入りたいくらいだ。&image=im00;&br; けど、それからあたしだって頑張った。&br;ヴァレンティオンの日に出会った「明るく楽しい」少年に合わせようと、この1年間というもの、勇気を振り絞って行動してきた。&br;み、水着だって着ちゃって、いっしょにビビキー湾まで海水浴に行ったり、とか。&br;うひゃん! は、恥ずかしい!&br;けど──。&br;&br;「あたし、彼とは合わないんじゃないかって思うんです……」&br;そう言って、あたしはうな垂れた。&br;本当のあたしは、鏡に映したように逆さまの性格で、とても臆病で怖がりで──だから、もう彼と会うことなんて到底できそうもな……えっ!?&br;&br;あたしは目を疑った。&br;ミスラの彼女の背後に、それまで確かに誰もいなかったところに、いきなり誰かが姿を現した。ヒュームの青年と、そしてタルタルの男の子。&br;&br;「ハ、ハッカロッカ!? どど、どうして、そこに!」&br;&br;インビジの魔法で隠れてたんだ!&br;気づいたとたんに顔が真っ赤になるのを感じた。やだ、どこから聞いていたの!&br;&br;「ボクは、その、彼に黙って付いてくるように、その、言われて……」&br;&br;ハッカロッカったら、うつむいたままのあたしに向かってそんなことを言った。&br;………………ボク?&br;&br;顔を上げたあたしに、ミスラの彼女が半分に割れたハートの欠片のチョコを。&br;あたしの目の前で真っ赤になっているハッカロッカにはヒュームの彼が同じような半分の欠片になったチョコを。&br;微笑みながら差し出してくる。&br;心の中で首を傾げてたあたしたちに、ふたりが言った。&br;&br;「君にぴったりのとても恥ずかしがり屋の少女を紹介するよ」&br;「あなたにぴったりのすごく内気な男の子を紹介するわ!」&br;&br;そう言われて、あたしは別人のように顔を赤くしている彼をまじまじと見る。&br;「もしかして……」&br;「あの……」&br;「すごく内気な男の子って……」&br;「とても恥ずかしがり屋の女の子ってひょっとして……」&br;&br;あたしとハッカロッカったら、「そうだったのか」って同時に口にして、同時にぷっと吹き出してしまった。&br;そうだったんだ……なあんだ。&br;&br;あたしと彼が手にした欠けたチョコは、合わせるとぴったりとくっついて、ひとつの大きなハートになった。&br;お互いの名を呼び合ってから、チョコをかじり合う。&br;&br;そうして、あたしたちはとても素敵なヴァレンティオン・デーを過ごすことができたのだった。&image=im00;&br; &image=im00;&image=7900_2.png; Story : Miyabi Hasegawa&br;Illustration : Mitsuhiro Arita&image=im00;&br; &image=hr02;&br; &li=ng01;開催期間&li;&br; 2012年2月1日(水) 17:00頃から2月15日(水) 17:00頃までを予定しています。&image=im00;&br; &image=hr03;&br; &li=ng01;モーグリの出現場所&li;&br; イベント期間中、以下のエリアにモーグリが出現します。モーグリから詳しいイベント内容を聞くことができますので、話しかけてみてください。&br;&br;・南サンドリア(J-9)&br;・北サンドリア(D-8)&br;・バストゥーク鉱山区(I-9)&br;・バストゥーク商業区(G-8)&br;・ウィンダス水の区(北側F-5)&br;・ウィンダス森の区(K-10)&image=im00;&br; &image=hr03;&br; &li=ng01;モグハウス管理組合からのお知らせ&li;&br; 冒険者の皆さんへ日頃の感謝の気持ちを込めて、ささやかなプレゼントを用意しています。&br;&br;2012年2月14日(火)頃より順次宅配予定ですので、ぜひご確認ください。&br;&br;注意事項:&br;・2012年2月7日(火)23:59までに作成されているキャラクターが対象です。&br;・ポストに届いていない場合は時間をおいて再度ご確認ください。&br;・ポストに256個以上のアイテムが届いていると、正常に宅配されない場合があります。&br;・プレゼントを受け取らずに「キャラクターワールド移転サービス」を利用した場合、プレゼントを受け取る権利が失われてしまいます。移転後のワールドに再度プレゼントを宅配することはできませんので、事前に受け取りをお済ませください。&image=im00;&br; "