" &image=ctgic; &style=stDetail1;2012/02/10 読み物&style;&br; &style=stDetail2;お雛さまは誰だ!?&style;&br; &br; 年に一度の女の子のためのお祭り、それがひなまつり。&br;今年もモグハウス管理組合(MHMU)は頑張りましたクポ!&br;&br;街中に設置された折りたたみ式のスクリーンと、明るく灯されたボンボリと呼ばれる灯篭と。&br;四角いひな壇の上で、仲間たちとともにおすましした経験は誰にでも一度はあると思いますクポ!&br;&br;そんなひなまつりのイベントだけど、風の噂では、どうやらウィンダスの片隅ではこんな試みが行われたこともあったとか。&br;&br; &image=hr02;&br; 近東の国アトルガン皇国には「虚像の器」と呼ばれる代物がある。&br;強烈な閃光を放ち、照らしだした風景を記録できるからくり箱だ。&br;&br;その年の春のことだった。&br;近東からサリジャという男がやってきた。&br;彼は「虚像の器」を持ってきており、それで中の国の風景を記録し、持ち帰って近東で展覧会を開くつもりだという。&br;&br;これを耳にして、&br;「そーれーはーチャンスだぁ! チャンスなのだ! オラオラ〜!」&br;と叫んだのは、魔法新聞社の編集長ナイコ・パニィコだった。&br;&br;折もよし、ひなまつりの時期。&br;東方から伝わった風習が立派にヴァナ・ディールで花開いていることを示すときだ。&br;壁ひとつを隔てたような付き合いが続く近東の人々に、中の国について親しみを持ってもらう良い機会となるだろう。&br;&br;具体的には、ひなまつりに合わせて着飾った街の人々を集め、ひな壇に座らせ、サリジャの「虚像の器」で撮影してもらう。&br;なにしろ──とナイコ・パニィコは思うのだ。&br;我がウィンダス連邦は、かわいい女の子ばかりだからな!&br;もちろん、会場の様子は一部始終を取材し、「週刊魔法パラダイス」に掲載する。&br;&br;この計画が発表されると、ウィンダスの都はたちまち大盛り上がりをみせた。&br;とくに、ひなまつりの主役たる女の子がだ。&br;ひな壇に向かって右側。ヒナドールズの人形の置き方を見る限り、そこに置かれる女雛こそが、きっと東方でも祭りの中心に違いない。&br;そんな噂が流れだした。&br;&br;「あたしがぁもう少し若かったらぁ。もっちろんお雛さま役だったわよねぇ。残念だわぁ」&br;&br;森の区のミスラ居住区で舌足らずな口調でそうつぶやいたミスラもいたという。&br;「もう少し」じゃ足りないだろ。女の「子ども」たちのお祭りなんだから──なんてことはすっかりどこかに忘れてきている。&br;&br;こうしてイベント当日を迎えた。&br;撮影会場は着飾った少女たちであふれかえった。&br;互いに、われこそがお雛さまだと思っていた。&br;&br;とあるエルヴァーンのナイト娘はこんなことを考えていた。&br;女の子のイベントだもの。女性であることを強調することが大切なのだわ。&br;そう、昨夏に手に入れた女草浴衣を着て行きましょう。東のほうではひなまつりは「桃の節句」とも呼ばれているそうだもの。この薄い桃色の衣服はぴったりだと思うの。&br;お雛さま役はあたしに決まりね!&image=im00;&br; &image=hr03;&br; あるいは森の区に住むミスラの獣使いだ。自らが手に入れたアーティファクトの装備こそが可愛らしさを引き立てると思いついた。&br;だって頭衣には可愛らしいケモノ耳が付いている。&br;自分の耳と合わせれば倍だ。可愛らしさも倍。さらに自前の尻尾まで付くわけで。こんなに愛らしいお雛さまがあるだろうか。いやない。&br;あたしが最強のお雛さまに決まった。&br;&br;競うのは強さではない、という気もしたが、彼女の耳には届かない。&br;&br;水の区のレストランに勤めるタルタル娘は思うのだった。&br;お雛さまは小さいからこそ良いのだと。&br;ヒナドールズを見よ。ちまっとしていて、ちょこんと座っている。&br;あれだ。あれこそが愛らしさというものだ。&br;ヴァナ・ディールでお雛さまが似合うのは、あたしたちタルタルしかいない!&br;うふふ。では、この身を飾るのは冒険者の間で種族装備と呼ばれる一式がふさわしいってわけね!&br; &br;隣でニマニマしているタルタル娘を見下ろしながら、ヒュームの娘は負けないぞ、と決意も新た。&br;その身を纏うのは真っ赤な衣服。白いもこもこした縁飾りも付いている。スマイル・ブリンガーの服だった。&br;あえて、脚装備を省くのがポイント。だって、星芒祭でプレゼントを配っていて、この格好のときが一番声をかけられたのよ? 可愛いねって。&br;&br;目に見えない火花がばちばちと宙を飛び交う中。&br;近東からやってきたサリジャは、会場を見回してからこう言った。&br;&br;「今日は女の子の健勝を祝う楽しいお祭りなのですから、そのように険のある視線をぶつけあっていては、誰もお雛さまにふさわしいとは言えないですよ?」&br;&br;サリジャの言葉に会場が静まり返った。&br;エルヴァーンの娘は直立不動に固まって目を瞑り、ミスラの娘は耳と尻尾を垂れさせてうつむいた。タルタルの少女とヒュームの女の子は互いに瞳を見交わしあっては、はあとため息をつく。&br;編集長ナイコ・パニィコはイベントの失敗を予感して真っ青になった。&br;だが、サリジャは手にした「虚像の器」を掲げながら、にっこり微笑みこう続けたのだ。&br;&br;「ですから、これからひとりずつ交代で全員を撮らせて頂きたいと思います。幸い、光のクリスタルもたっぷり用意してありますから」&br;&br;イベントは夕方遅くまで続き、お雛さまに扮した女の子たちはみな笑顔で撮影に応じたという。&br;&br;それはある晴れた春の日のひなまつりのことだった。&image=im00;&br; &image=im00;&image=8056_3.png; Story : Miyabi Hasegawa&br;Illustration : Mitsuhiro Arita&image=im00;&br; &image=hr02;&br; &li=ng01;開催期間&li;&br; 2012年2月17日(金) 17:00頃から3月3日(土) 17:00頃までを予定しています。&image=im00;&br; &image=hr03;&br; &li=ng01;モーグリの出現場所と飾り付け&li;&br; イベント期間中、以下のエリアにモーグリが出現します。&br;&br;・南サンドリア(J-9) &br;・北サンドリア(D-8) &br;・バストゥーク鉱山区(I-9) &br;・バストゥーク商業区(G-8) &br;・ウィンダス水の区(北側F-5) &br;・ウィンダス森の区(K-10) &br;&br;モーグリに話しかけると、ひなまつりにちなんだアイテムを受け取ることができます。&image=im00;&br; &image=im00;&image=8056_10.png; また、それぞれのエリアには、「ひな壇」が飾り付けられる予定です。&image=im00;&br; "