" &image=ctgic; &style=stDetail1;2012/04/19 読み物&style;&br; &style=stDetail2;どっちが強い?&style;&br; &br; さあ、練武祭が始まるクポ!&br;&br;そもそもは男の子の立派な成長を願うお祭りとして始まった練武祭。&br;&br;でも毎年のように逃げ出すゲンジ甲冑をみなさんで追いかけてもらううちに、女性冒険者たちの間でもすっかり定着してきたクポね!&br;&br;計画どお……な、なんでもないクポ。&br;&br;それで、今年もやっぱりゲンジ甲冑が逃げ出してしまったクポ。&br;またまた冒険者のみなさんに追いかけて欲しいって……。&br;思ってるクポよ?&br;&br;よろしくお願いしますクポ!&br;&br;ひょっとしたら、そこには新たな出会いがあるかもクポ。&br;&br; &image=hr02;&br; セイカはシーフにして狩人だった。&br;&br;緑と茶の色を多用した防具を身に纏っている。&br;シーフのアーティファクトだ。&br;その姿は、森の中では迷彩となって隠れてしまっていた。&br;&br;セイカは、風の中に潜む臭いを嗅ぎ、耳を澄ませて気配を探った。&br;彼女の頭の中にはロンフォールの森の姿がまるで上空から見たかのようにくっきりと描かれている。&br;彼女が探している相手は森の獣でも獣人でもなく……。&br;どこだ……どこにいる……。&br;頭の中のマップと照らし合わせながら、気配を丹念に辿って見つけた。&br;&br;北西……か。&br;口の中だけでそうつぶやくと、オークの根拠地に近い一点を目指して歩みを再開する。&br;&br;その手にしているものは、シーフが得意とする短剣ではない。&br;燻竹刀。&br;そう呼ばれる東方の侍が使う修練用の武器だった。&br;&br;北サンドリアから延びている細い街道に出た。&br;そういえば昔、この街道を巡回する兵士の妻にお使いを頼まれたことがあった。&br;あの兵士は今も元気でいるだろうか。懐かしい。&br;&br;街道を越えて再び木々の中に入ったところでセイカの頭に警報が鳴った。&br;梢の鳴る音が耳を打ち、次に悲鳴が聞こえた。&br;「うぁああ!」&br;声に、頭上を振り仰ぐ。&br;人が──降ってきた。&br;男の子だ!&br;&br;竹刀を放り出し、慌てて両手を伸ばして受け止める。&br;少年が枝を掴んで落下の衝撃を殺していたから、思ったよりも楽だった。&br;安堵の息をつく。冷や汗がどっと出た。&br;&br;「ふぇえ、びっくりしたぁ!」&br;「びっくりしたのはこっちよ!」&br;&br;セイカが受け止めたのは十歳ほどのエルヴァーンの男の子だった。&br;甲虫を捕りに木に登っていたらしい。&br;森は危ないからと叱り飛ばすと、「ねーちゃんこそ、そんなへっぴり腰で大丈夫か」と返してきた。&br;&br;「へっぴり腰、ですって?」&br;セイカは薄く笑った。&br;&br;そこに狙っていた獲物が大木の向こうから姿を現したのだ。&br;ゲンジ甲冑を着込んだタルタルだった。&br;「下がっていなさい、少年!」&br;危険はないはずだが、そう言っておいてセイカは竹刀を拾い上げる。&br;斬り合いになった。&image=im00;&br; 甲冑を着込んだ相手の放つ技を武器に込められた破魔の術で防ぎながら、隙を見て竹刀を相手の胴へと叩き込む。&br;「まったく、毎年──苦労させてくれるわね!」&br;気合の声とともに最後の一撃を放つと、力尽きたか敵が動きを止めた。&br;&br;ピリリリと笛の音。&br;どこからやってきたのか大勢のモーグリたちが現れた。&br;わらわらとゲンジ甲冑を着たタルタルを抱えて去ってゆく。&br;「どもクポどもクポどもクポ」&br;「ども、じゃないわよ。まったく」&br;「ご苦労さまクポ! あ、こちらは引き取りますから、こっちをお土産にどうぞクポ!」&br;前より少し立派な竹刀を渡して去っていってしまった。&br;やれやれだ。座り込んでしまう。どっと疲れが出た。&br;毎度のことだが、体力を根こそぎ奪われたような感覚だ。&br;&br;「ねーちゃん、弱いなー」&br;「これは、鎧を傷つけないように気を遣ってるからなの!」&br;毎年東方から鎧を借り出してきては、毎年盗まれるというのはどうにかならないものだろうか。よく国際問題にならないものだ。&br;MHMUの管理が甘いんじゃないかなぁ。&br;などと、気合いを抜いていたのがよくなかった。&br;&br;一瞬で、肌が粟立つ。背筋が凍りついた。&br;振り向いた彼女の瞳に、瞳を殺意でぎらつかせたオークが一体、斧を振り上げて襲いかかってくるのが映る。&br;しまった!&br;「少年、逃げて!」&br;&br;そのとき、一瞬だけエルヴァーンの少年の輪郭がぼやけた。&br;空気の膜に包まれたような感じで、ガラス越しに見ているかのような。&br;白刃が一閃した。&br;叫び声があがる──オークの。&br;胴を剣で切り裂かれたオークが地面にどうと転がった。&br;&br;後に立っていたのは少年ではなく、彼女よりも頭ひとつ背の高いエルヴァーンの男だった。&br;いつの間にか身に着けた鎧と剣と。&br;いや、刀──だ。あれは。ということは侍か!&br;&br;「衛瑠刃鞍柏餅……」&br;「うん。それそれ。子どもの姿のほうが軽いからね。木登りが楽なんだ」&br;&br;澄まし顔でそう言ってから、にっと笑った。&br;「ほら、やっぱりへっぴり腰だったじゃないか」&br;「ぐぬぬぬぬ。ち、違うのよ。これはぁ!」&br;びっくりして腰が抜けた、なんて意地でも言うもんか、と思った。&br;「うんうん。おねえさん、頑張ったよね」&br;そういう彼は、どう見ても一つ二つ年上で。&br;手入れの行き届いた刀は、ちらりと見ただけでも業物とわかる熟練した侍だけが扱える一品に間違いなかった。&br;自分の言動を思い出してセイカは顔から火が出そうになった。&br;&br;「違うんだからぁ……」&br;「はいはい。じゃ、森は物騒だからね、街まで送るよ」&br;今度は柔らかく微笑まれる。&br;彼の差し伸べた手にすがって起き上がった。&br;「う……。あ、ありがと……う」&br;&br;セイカが彼と出会ったのは、ある年の練武祭の一日だった。&image=im00;&br; &image=im00;&image=8402_2.png; Story : Miyabi Hasegawa&br;Illustration : Mitsuhiro Arita&image=im00;&br; &image=hr02;&br; &li=ng01;「練武祭」の参加方法&li;&br; 1、以下のエリアにいるMoogleから「燻竹刀」を受け取りましょう。&br;南サンドリア(J-9)/北サンドリア (D-8)&br;バストゥーク鉱山区(H-9)/バストゥーク商業区(G-8)&br;ウィンダス水の区(北側)(F-5)/ウィンダス森の区(K-10)&br;&br;2、「燻竹刀」を装備した状態で以下のエリアにいるMoogleに話しかけ、燻竹刀に「破魔の術」をかけてもらいましょう。&br;西ロンフォール(I-6)/東ロンフォール(G-6)/ラテーヌ高原(J-8)/ジャグナー森林(I-8)/バタリア丘陵(K-8) /北グスタベルグ(L-8)/南グスタベルグ(L-8)/コンシュタット高地(I-6)/パシュハウ沼(K-6)/ロランベリー耕地(K-5) /西サルタバルタ(J-8)/東サルタバルタ(G-11)/タロンギ大峡谷(I-6)/メリファト山地(E-5)/ソロムグ原野 (E-5)&br;&br;3、みんなで協力してゲンジ甲冑を着込んだ何者かを捜し出し、やっつけましょう!&br; 敵が放つウェポンスキルを燻竹刀のエンチャント「邪気滅却」で防げば防ぐほど良いことがあるかも!?&br;&br;4、見事勝利の暁には、敵を倒したポイントに「???」が出現します。&br; 「???」に燻竹刀をトレードしてみましょう。報酬として名刀?が手に入るかもしれません。&image=im00;&br; &image=hr03;&br; &li=ng01;破魔の術について&li;&br; ・破魔の術をかけられると、レベルが1に制限され、代わりに移動速度が上昇します。&br;・破魔の術の効果中は、街の外を徘徊するモンスターに攻撃できなくなります。&br; しかし、モンスターから襲われることもありませんので、ご安心ください。&br;・エリアチェンジやログアウトを行ってしまうと、破魔の術は消えてしまいます。&image=im00;&br; &image=hr03;&br; &li=ng01;開催期間&li;&br; 練武祭は2012年4月26日(木)17:00頃より、5月10日(木)17:00頃までを予定しています。&image=im00;&br; "